Jul 2

ガビン

crocsよ、オレがわるかった

crocsのケイマンていうサンダルが猛威をふるっていますな。
こんなサンダルです。
まあ、まあまあまあ、まあ、まあ、丸っこい、かるーい素材のね、丸い穴が開いた、かわいいサンダルですよ。
先日もね、教えている大学で生徒を連れた旅行がありまして、何の気なしに民宿の玄関に並ぶ靴たちの写真を撮ったのだけど、それが後で見てみるとcrocsの宣伝か!と思えるようなものでしたよ。
聞くところによれば病院では、最近の入院患者のほとんどがcrocsだとかなんとか。ほとんどってのはいい過ぎだと思うけれど、履きたい気持ちはわかる。そしてとってもいいだろうなあ、便利だろうなあ、と思う。

それはそれとして、先日友人とcrocsの話をしてたんです。
「流行ってますねー。ものすごく流行ってますよね。かわいいですね。でも履きません。ぜったいに履きません。人間がダメになりますよ! あと五本指くつ下も履かない!」
と、高らかにcrocsと五本指くつ下を同じジャンル扱いしてて、ほほう、となった。
「あれ、きっと楽ちんですよね。あんな楽ちんそうなものなんて!」
と、血走った目で言っていた。
その気持ち、オレもとってもよくわかるで。
crocsや五本指くつ下が体現してる、楽ちん感みたいなもんは、あまりに楽そうで、快適そうで、そこにひろがる堕落への危機感はよーくわかるでええええ。ぜったいに履いたら、その楽ちんさから、帰って来られなくなるな。いや、いつかは飽きると思うのだけど、しばらくは。いかん。いかんよ、あのサンダル! きけん!

というわけで買ってみようと思った。

しかしなー、おじさんは、少々世の中を斜めにみてるところがあるからか、
crocsじゃなくて、Waldiesを買ってしまったんだなー。
Waldiesってのは、まあ、crocsとほぼ同じ仕様のサンダルなのだけど、Waldies信者に言わせると、
「たまにオレら、crocsのパチモン扱いされてっけど、こっちがオリジナルで、あっちがパチモンですからあああああ!」
ということだったりするみたいで。ホントかどうか知りませんけどね。
まあ、形も機能も同じようなもんで、ちがいといえばサンダルのあちこちに開いている穴の形が、crocsが丸型なのに対して、Waldiesはカクカクしてるって程度のことですから。オリジナルとかいうなら、こっちのほうがえらいんだろうと。crocsの野郎、後追いのくせにうまいこと商売しやがってくそ! と、一瞬にしてWaldies寄りの目線で睨んだりして。

で、履いてみた。
履いてみた結果、うおー、楽だ、楽だぜー、これけっこういいいいね、楽すぎる〜、どこまでも楽ちんな麻薬〜、と楽ちんさに感動しながらも、なんかちがうかも、Waldiesさんよ! あんた、なんかちがうかも! と思ったりしましたよ。というか隣のcrocsがやけにかわいくみえる。いや、やっぱcrocsだったのかも、買うべきはcrocsだったのかも、そもそも長いものに巻かれてみたいだけの理由で買ったのだから、大旋風のcrocsを買うべきだったのかも、ぎゃあ〜、と思ったといいますか、あのね、おの大ブームね、同じような機能のWaldiesではありますが、しかし、waldiesでは起こせなかったブームですね。この丸っこい穴。この丸っこい穴が、ブレイクを招いたのだな〜、だってかわいいもん、丸っこさが!

と思った次第でした。
長いものに巻かれようと思うときには、ちゃんと長いものを見極めて巻かれないとダメですな。

あ、そうそう。結局のところ僕はcrocsに、そんなに興味は持ってないのですが、別に新たに欲しかったりとかぜんぜんしないんですけどね、ひとつ気付いたのは、こいつの登場で、かつて大旋風を起こしたサンダルの古び方がまた一段とすすんだなあ、と思った。たとえば僕は自分の事務所では(靴を脱ぐんです、住居用マンションなので)、ビルケンシュトックを履いているんですけどね、なんつーか、古い! crocsがサンダル界のデファクトスタンダードとなった今、ビルケンのふっる〜〜い感じに衝撃をうけた。一瞬にして、足下が懐古趣味になってた。怖いのう。そんな風に新しくやってきたものは、それまでそこにいたものに「終了」のハンコを押してしまうのだな、と思った。事務所のサンダルをどうするべきか。はだしで過ごすのは逃げだろうか?

投稿者 ガビン : 09:45 | トラックバック (0)

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